基礎知識データベース

あらゆる基礎知識を収録した情報データベースです。

カテゴリ一覧
医療器具・機器

広告


騒音性難聴(Noise Induced Hearing Loss:NIHL)
長期間に渡り大きな音の鳴るような環境下で発症する難聴。120dB以上の大きな音で急性的に発症することもある。工事や航空自衛隊など職業が原因である場合は職業性難聴,コンサートなどが原因である場合は音響性難聴ともいう。近年ではイヤホンなどで音楽を大音量で聞き続けることにより発症するケースが増えてきている。古くはナイル川の瀑布の音による騒音性難聴が1世紀の記述に見られる。発症機序としては大きな音により内耳の血流量が不足し,発生した活性酸素が蝸牛の外有毛細胞を障害することによって発症すると考えられている。初期症状では4000Hz以上の高音域に限局して難聴が起こり,進行が遅いため自覚症状は乏しい。多くは耳鳴りなどの難聴以外の症状から来院し発覚する。有毛細胞が死ぬと再生できないため,現在までに騒音性難聴を治療する薬は開発されていないが,早期の治療や環境の改善によって症状の進行を防ぐことができる。

広告