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ビッグバン理論(Big Bang theory)
宇宙はビッグバンと呼ばれる大爆発によって始まったとする理論。宇宙は約138億年前に高温・高密度の状態から膨張し、次第に冷えて現在の姿になったと考えられている。

歴史
宇宙が膨張している事実をエドウィン・ハッブルよりも先に明らかにしていたジョルジュ・ルメートルが、「宇宙が膨張しているならば時間を遡れば宇宙はごく小さな”原始的な原子”から始まった」とする初期のビッグバン理論を1927年に発表したが、フランス語で書かれていたうえにベルギーの科学誌であったため注目を集めなかった。

後に1929年のエドウィン・ハッブルの発表により宇宙の膨張を示す観測結果が広く知られるようになり、1931年にはルメートルの論文が英文により発表(※1)されたが当時は定常宇宙説が主流であり、またルメートルがカトリック司祭であったことから”創世的な理論”として批判の的となった。

ロシア出身のアメリカの天文・核物理学者であったジョージ・ガモフはルメートルの仮説をより発展させ、核物理学的な連鎖反応により現在の宇宙にみられる元素が生成されたとする新たなビッグバン理論を提唱し、ビッグバンの証拠となる宇宙マイクロ波背景放射の存在を予言した。そして1964年にマイクロ波背景放射が発見され、現在ビッグバン理論は広く受け入れられている。

訳注
※1 自身の英訳ミスにより宇宙膨張や宇宙の膨張率についての重要な部分を削除してしまったため宇宙の膨張を発見した功績はのちのエドウィン・ハッブルに与えられている。ルメートルは自らの理論が正しいことに満足し、削除された項目の再掲を勧められても断ったという。

補足情報

・「ビッグバン」という名称は定常宇宙を強く支持していたフレッド・ホイルがジョルジュ・ルメートルの仮説を皮肉を込めて発言したことが始まりであるとされている。

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